「ついカッとなって」

poeco2008-09-10


(※画像はイメージです)

きっかけは些細なことの積み重ねだった。


夜9時頃に仕事から帰ったら、「おかえり」の一言もなくツバメがパンツ姿でネトゲをやっていた。

こいつ今日休みだったのに一日中ネトゲかよ、と少しイラッときたけどまあいつものことだからと、わたしもテレビをつけて寝そべったところ、
「おなかすいたー。ごはんはー?」
ネトゲやりながら言うわけ。これまたイラッときたけどそこは素敵な奥さん目指してるポア子だから、冷蔵庫にあるもので簡単な炒め物を作って出したわけ。それを「おいしい」の一言もなく食べ終わるとすぐネトゲの世界へと戻るツバメ。

素敵な奥さんとしては、ごはんのあとはお片づけをして、そうだわ、明日のカッターシャツをアイロンかけなくちゃいけないワ、だって旦那サマにシワだらけのシャツを着て会社に行かせる奥さんにだけはなりたくないんですもの、それがわたしのポリシー。だったらクリーニング出せって話だけどそこは節約するのもわたしのポリシー。(昨日スロで負けた額でクリーニング100回出せる)

そんな自分のポリシーのためにアイロンかけているのに、だんだん「なんでこいつのために疲れて帰ったわたしがメシ作った上に汗かきながらアイロンまでかけないかんのだろう」とイライラしながらすごい勢いでシャツのシワのばしてたらうっかりアイロンの角で自分のひざを火傷してしまった!
「ヒーッ!熱い!氷!氷持ってきて!」
必死のポア子がひざを抱えてわめいているというのに、ツバメはこちらに背を向けたままでまだネトゲをやっている!「氷持ってこいやーー!」とその背中を蹴り飛ばすと、ようやくノロノロと立ち上がり、こちらを見下ろすその表情は、なんと薄ら笑いを浮かべている・・・!
わたしは今、ゆとりの真髄を見た・・・・
そして一言、
「おおげさだなあー。自業自得でしょ?」

ポア子の怒りはそこで沸点に達した。そう、この煮えたぎるアイロンのように・・・・・


「ギャッ!」
という叫び声と、「ジュー」という何かが焼ける音とともに一瞬我にかえったんですが、わたしは目の前にあるツバメくんの太ももに、アイロンを思いっきり押し当てていたんですね。
「やめれ!熱い!」
とよけるツバメの腕に今度はアイロンの端がクリティカルヒット
「うわあああー!」
そのときのわたしには「こいつを焼きつくしてやる」という思いしかありませんでした。やめろやめろと暴れるツバメにかまわずアイロンを押し付けようと突進する。自分もツバメも何か叫んでたけどよく覚えていない。
凶器と化したアイロンを振り回し続けるポア子に恐れをなしたのか、「警察いってくるけんな!」と慌てて服を着て外に飛び出したツバメ。

けいさつ・・・・?

右手にアイロンを持ったまま、部屋のなか一人立ちつくすポア子であった。


(疲れたので次回へ続く)