poeco2008-04-08

3月はとても忙しかったんです。

今から六年前、地元の祭りの夜に拾ってきてからというもの、まるで我が子のように手塩にかけて育て上げてきたツバメ君もようやくこの春卒業となりました。

職場でいつも私のことをババア扱いするアーちゃんというウンコ娘24歳の彼氏がツバメくんと同じ学校で、「ポアちゃん一緒に卒業式見にいこうよー。まぎれこもうよー。あ!でもォー、うちはなんとか卒業生に見えるけどポアちゃんは……」どう見ても父兄です本当にありがとうございましたというわけで父兄として参加してきました。

子供だ子供だと思っていたツバメくんももう22歳。これからは社会人なのね・・・と、卒業式で学長の長げえ話を聞きながら感慨にふけるポア子。

思えばこの学校に入れと言ったのもポア子だった。高校生の時に卒業後どうしようと悩むツバメに「アンタの学力じゃどんなとこでも入れさえすればいいんだから楽に推薦で入れるとこにしなさいよ。あ、○大なら資格さえありゃ入れるってよ。そこにしろ!」って言われるがままに資格を取って推薦で入学し、
大学出たらどうしようと悩むツバメに「アンタが普通に就活しても簡単に受かりゃしないんだから楽に推薦で入れるとこにしなさいよ。小さくてもいい。給料が安くてもいい。地道に毎日働ける場があることこそが幸せなのよ!」と、地道に毎日働いた記憶があまりない私の言うがままに、地元のとても小さな会社に就職を決めたツバメくん。
「この子…『自分が無い』………」と今頃気づいたけどそう育てたのは私なのね。そしてその責任は、思いのほか早くにとらなくてはならないこととなったのです・・・・


卒業式から数日後、「ごはん食べにいくから」とツバメくんに連れていかれたそのちゃんとした店。そこにはお義母様とお義父様が・・・そしてコース頼んである・・・これはまさに「両親に紹介」フラグ!
ひ、ヒエーー!こんなことなら『JJ』の「彼ママ対策♪特集」読んでくりゃよかったよ!早く言えこのスカぽんちん!スカちんぽ!ってくらい急な話にポア子は動揺してたんです。
動揺したままメシを食いながら話をしていると、どうやらこのご両親は私のことを「普通の娘さん」だと思っているようだ。しかしそれは間違っている。私はきっといわゆる世間の「普通の娘さん」ではない・・・と危機感を感じたポア子は「あのー、何も聞いてらっしゃらないんでしょうか」とおずおず聞くと「この子なにも話してくれないのよーホホホ」ってお義母さん言うもんだからポア子は青ざめて、このまま騙してるわけにはいかないって思って、ポア子ってちょっと悪ぶってるけど実はすごく純粋なとこのあるいい子だから、騙してるって思ったらすごい罪悪感でいっぱいになっちゃって、自分でもようわからんけど突然、
「わ、わわわたしほんとは三十二歳なんです!(服にリボン付いてるけど!)」
と決死のカミングアウトをし、ブワーって号泣しながら
「そ、それに前にけっ、けっ、けっこん」
ってもうアホみたいに泣いてて皆まで言えんでいたら、
「そんなに辛かったんなら、無理に話さなくっていいのよ」
と優しく言うお義母さん。や、そうでなくて、結婚生活が辛かったとかでなくて、どっちかというと「泣きたいのはこっちだよ!!」って前夫に突っ込まれそうな感じの結婚生活だったわけで、だから辛くて泣いてるわけでなくて、なんていうかいろいろ申し訳なくて、お義母様を前にしたら「淫行」とか「16歳」とか「DV」とかいろんなことが頭をぐるぐるまわってしまってその申し訳なさに泣いてしまったのであった。

そんなこんなで滞りなく会食は終わったのであった。(滞ってたけど)
しかし、ツバメくんのお母さんいい人でよかったわー。ポア子は人の悪いとこばっかり見るほうだからちょっとでも性根の悪い女は匂いでわかっちゃうけど、彼女はおそらくかなりいい人ね。
前のお姑さんもだいすきだったし、ポア子、生きてていろんな運に見放されてるけど、「人生の姑運」だけはいいようだわねー。