最終兵器サメガイ(仮名) 其の一

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サカイはもうどこにも居ないはずなのに、この職場に来てからも、ポア子はどこかしらサカイの匂いを感じていたワ。
サカイの匂いつってもあの動物園臭ではなく、普通とは違う人間特有の、いわゆる選ばれた人間の匂いを薄々と・・・

そして今日、それが明らかになったのでみなさんにお知らせしようと思います。

そのポア子の向いの席に座る「女サカイ(30歳)」の特徴を表すと、
 ・まず一人称が「私(ワタクシ)」。

 ・語尾は「ですのよ」。

 ・そして病気がち。

 ・病気がちを理由に週休4日。

 ・やたらと独り言が多い

 ・その独り言がまるで舞台稽古のようだ

とまあ簡単にいうとそんな感じなんだけど、語尾は「ですのよ」の他に「ございますのよ」等。そしてファッションセンスは昭和の香り。なんかこういうキャラどっかで見たことあるよーって思ったら、「桃尻娘」の醒井さんだった。まさにあの感じ。今後、女サカイのことは「サメガイさん(仮名)」とします。

でもポア子最初は全然その匂いにきづかなかったの。サメガイさんてばとってもカツゼツ良くって喋り方も上品で流暢で、電話応対コンクール西日本ブロック大会があるとするならば、3位くらいには入れそうな勢いなのね。
だから最初は、ただの上品な人だと思っていたの。
だんだんオカシいなって気づき始めたのは、茶器セットみたいなのを自分の机に常備していて、茶を飲む時にその茶碗をね、3回まわして飲んでるの。ポア子、ここは茶室?と自分の目を疑ったわよ。そして飲み終わった後は「フゥー」って芝居がかったため息ついて、宙をあおぐの。なんかのCMみたいに。
しかもその茶碗に注いでいるのは、ペットボトルに自分が沸かして入れてきた茶なのね。しかもそのペットボトルには「ボルビック」てラベル貼ったままなのね。茶室なのにボルビック?茶と水のコラボ?お嬢様と貧乏人のコラボ?
ポア子つっこめないままにポカーンて口あけてずっと彼女を凝視してたら、
「ああ、つい昔の癖が。こうして回して飲まないと、両親に怒られるんです」
聞いてもいないのにそう言って、舌をペロッと出したわよ。
ギョへー。「ペロッ」出たー。


まあ他にも彼女の奇行は書ききれないほどあるわけで、今日はサメガイさんのサカイっぷりが明らかになった理由を書こうとしたのに前置きだけで終わってしまったワ。次回へ続く。